私の考える合気道の極意 その38
空気を変える
私の師事する合気道の師範は、常に進化を遂げています。今の合気道は、
10年前や20年前とは大違いです。
以前は相手に触れて投げていたのですが、今では相手に触れずに投げています。
まるで空気を投げているようです。
相手と自分との間の間合いを、距離として認識するのではなく、空気という
空間で捉えています。
その空間を、一つの塊として捉え、自由にその空間を縮めたり、伸ばしたり、
空間に波を立てたり、という風な感覚です。
まったく合気道を知らない人から見ると、なんだこれは、というように見える
ことでしょう。
しかし、その是非はともかくも、実際に相対していると、こちらは空気の変化で
投げられてしまうのです。勝手に飛ばされてしまうこともあります。
剣聖と言われた剣の達人も、こういうことを会得していたのではないかと、
考えさせられます。